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抜き勾配について

|抜き勾配の必要性

射出成形品の抜き勾配は成形性(離型)、金型加工(変則パート)において必ず必要です。

製品形状としては抜き勾配を小さくしたい場合が多いですが、抜き勾配が小さ過ぎる場合は、以下のトラブルが発生しやすくなります。

成形性製品のカジリ、ワレ、白化、変形
金  型変則パートが焼きつきやすく、耐久性が低下

したがって成形性、金型加工だけで考えれば出来るだけ大きな抜き勾配が安全です。また、製品形状や表面処理により許容できる抜き勾配の大きさは異なりますので、必要に応じて抜き勾配を使い分けます。

製品の形状

抜き勾配

キャビの外周(通常) 1°以上
キャビの外周 (シボ加工・透明部品) 2°以上  但しシボの深さ・荒さにより異なる。 大きく設定するほうが安全。
コアの外周(通常) 1°以上
コア側のボス(スリーブ突き出し) 0.1°以上(場合によりストレートも可)
コア側のリブ(突出しが無い場合) 0.5°以上(理想は1°以上)
コア側のリブ(突出しが有る場合) 0.2°以上
変則パート 1°以上   出来るだけ大きく設定するほうが安全。
※実際には製品全体の離型バランスや大きさ、樹脂の特性を考慮して判断する場合が多いので、上記の値はあくまで参考値です。

|抜き勾配の寸法指示について

一般に抜き勾配の加工はテーパーエンドミルを使う事が多く、こちらの方が金型加工の効率が良くなります。

角度については市販のエンドミルは0.25°~0.5°刻みで販売されていますから中途半端な角度は好ましくありません。また、先端寸法と根元寸法で指示した場合は、中途半端な角度になります。

そして、基準寸法が曖昧な表現ですと形状の解釈が数通りできますので、基準寸法は先端なのか根元なのかを明確にする必要があります。

また、抜き勾配を考慮しないで設計した場合、指示寸法から必ず勾配分ズレが生じてきますので他部品と干渉、勘合が合わないなどのトラブルが発生する恐れがあります。